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ITIL®認定試験とは?その概要や認定資格の種類、受験方法までを紹介

日常生活の様々な場面で利用されるようになったITサービスは、品質面においても非常に高いレベルを求められることが多くなってきました。そのようなITサービスを提供している企業にとっての必須知識となっているのがITILです。ITILはITサービスマネジメントのベストプラクティスを集約した知識体系であり、ITサービスマネジメントのデファクトスタンダードとして世界中で利用されています。そのITILを活用して高品質なITサービスが提供できる能力を証明する試験が、ITIL認定試験です。今回はITIL認定試験の種類や概要についてお伝えします。

ITIL®の定義をもう一度振り返る

ITILはInformation Technology Infrastructure Libraryの略であり、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集約した知識体系です。英国政府から出版されたことによって歴史が始まりました。ITIL認定資格を取得するための学習を通じて、システム運用管理におけるサービス品質を向上させるためのITサービスマネジメント必須知識が得られます。

2019年2月にITILの新バージョンであるITIL4が公開されていますが、まだ日本語化されていない内容が多いため、今回はITIL v3をメインにお伝えします。

ITIL4については、詳しく記載した記事がありますので、ぜひご覧ください。

最新のITサービスに対応したITIL®4とは?ITIL® v3からの変更点や内容について紹介

ITIL®v3認定資格とは

ITILv3認定資格には、一般的に受験されるものとしてファンデーション、プラクティショナ、インターミディエイト、エキスパートの難易度順で計4種類があります。合格した試験に応じてクレジットが付与され、条件を満たせば各資格を取得可能です。

なお、ITIL4の日本語による認定試験は、2021年4月現在でファンデーションとマネージングプロフェッショナル移行のみリリースされています

ファンデーション

ファンデーションでは、ITILの主な概念、プロセス、専門用語を学習しつつ、更に深く学ぶための基本を習得することを目指します。ファンデーション資格試験のための学習を通じてITサービスマネジメントの基礎を学んでいけます。上位資格の取得にはファンデーションが必須です。

認定試験に合格すると2クレジットが取得できます。

プラクティショナ

プラクティショナは、組織がITILを導入するための実践的手法を学ぶことで、個人が組織内でITILを実務者として活用できることを認定します。

認定試験に合格すると3クレジットが取得できます。

インターミディエイト

インターミディエイトの試験は、ライフサイクルモジュールとケイパビリティモジュールに分かれていますが、日本語化されているのはケイパビリティモジュールのみのため、日本語で受験したい場合はケイパビリティモジュールを受験していくことになります。

ケイパビリティモジュールは「運用サポートと分析(OSA)」「リリース、コントロールおよび妥当性確認(RCV)」「計画立案、保護、最適化(PPO)」「サービス提供と合意(SOA)」の各分野の専門知識について、ケーススタディを通じて実践的に学べます。

ケイパビリティ各分野の認定試験に合格するとそれぞれ4クレジットが取得でき、インターミディエイトが認定されます。

エキスパート

ファンデーション、プラクティショナ、インターミディエイトの各認定試験で合計17クレジット以上を取得すると「ライフサイクル全体の管理(MALC)」を受験できるようになります。「ライフサイクル全体の管理」では、より実践的なケーススタディを通じて、ITサービスマネジメント最適化の思考を学ぶことが可能です。

この「ライフサイクル全体の管理」認定試験に合格すると、エキスパートとして認定されます。

ITIL®v3ファンデーション資格なら短期間で取得できる

ITILv3ファンデーションの試験は、ITサービスマネジメントおよびITILについて基本的な知識を幅広く問う試験ではありますが、その内容は基礎的なものであるため、全体的な構造や活動概要などを理解できていれば、問題なく合格できる可能性が高いものです。問題形式も難易度の高めな記述形式ではなく、選択肢から正解を選ぶ形式のため、比較的短期間でファンデーションは取得できるでしょう。

「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(ISV Map Ver10r3)」では、ITILファンデーションの難易度は「1」と定義されており、Oracle Masterブロンズや、CCENTと同じ位置づけです。合格率や合格者数は非公開ですが、日本では年間で約1万人がITILファンデーションを取得していると言われています。

ITサービスマネジメントの基礎を学ぶなら、ファンデーションの取得がおすすめです。

ITILv3ファンデーション資格の受験にあたって

ITILv3ファンデーションの試験は、試験会場での受験もしくはオンライン受験が選択できます。オンライン受験なら試験日は自分のスケジュールに合わせて選べるため、おすすめです。問題数、合格点などは下記の通りです。

  • 教科書・ノート参照不可、多項選択式試験
  • 出題数:40問
  • 試験時間:1時間
  • 合格点:40点満点で26点以上(65%以上)

ITIL®の研修について

ここまでITILファンデーションの試験についてお伝えしてきましたが、比較的平易な試験であるとはいえ、受験に対する不安が拭い切れないという方もいらっしゃるかと存じます。

そのようなITIL試験に不安を感じる方々に向けて、インフォメーション・ディベロプメントのグループ企業である株式会社DXコンサルティングでは、ITILの研修サービスを展開しています。

株式会社DXコンサルティングの前身である株式会社フェスは、各種ITサービスやデータセンターの運用を担うために1999年に設立され、数多くのお客様のITサービスの安定運用を支えてきました。DXコンサルティングのITIL研修は、数多くのITサービスを安定運用してきた経験に基づいて実施されます。

DXコンサルティングのITIL研修は、講義によってITILへの理解を深めるだけでなく、参加型のグループワークを取り入れ、知識の効率的な定着を図ります。ケーススタディをもとに、どのような対応をしていくべきかグループ内でディスカッションし、課題への主体的な取り組みを促すことでITILへの理解を深めることが可能です。実際のITサービスマネジメント業務と同様のディスカッションを経ることで、受講後の実務への応用力も同時に身に着けていくことができます。

グループワークのみならず、最終日の認定試験の合格のため要点を押さえた講義にも力を入れていて、高い合格率を実現しています。

また、大手通信事業者等のデータセンターにて15年以上に渡りITシステム運用業務に携わった講師や、ITILが日本に紹介された当初から普及に関わり、延べ1,000名以上の人財教育を実施したコンサルタントなど、豊富な経験を持つ講師が在籍しており、実体験に基づく事例や業界の事例等を用いて、実務に即した分かりやすい研修を展開します。
詳しくはサービスのページがございますので、ぜひご覧ください。

DXコンサルティングのITIL研修|株式会社DXコンサルティング

気軽なITIL®ファンデーション資格へのチャレンジを

ITILとは、Information Technology Infrastructure Libraryの略であり、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集約した知識体系です。今回紹介したITIL v3認定資格は、ファンデーション、プラクティショナ、インターミディエイト、エキスパートの4種類で構成されています。

特にファンデーションの受験難易度は低めで、「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(ISV Map Ver10r3)」で、ITILファンデーションはレベル1に位置づけられています。気軽にITサービスマネジメントの基礎を学んでいけるでしょう。

ITILの研修をご検討の際には、ぜひ一度DXコンサルティングへご相談ください。

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